2011年06月10日

8020って何?

今日はちょっとアカデミックな話。時にはね。

8020(はちまるにーまる)
今や歯科関係者には有名なスローガンだが、
昭和の時代にはなかった言葉。

実は 私にとって思い入れのある言葉。

歯の長寿・QOL(クオリティー・オブ・ライフ、生活の質)向上のため
いいスローガンはないかと、作った語呂
80は平均寿命、20は単なるキリのいい数字。

当時の日本歯科医師会長が、
ちょうどキリがいいから と言ったとか言わないとか…
実は学術的根拠があって決めたわけではない。

学術的根拠は後からついてきた
歯が20本を割ると咬む能力が落ちる

大規模調査(疫学調査)でそれを示したのは
私の卒後の進路を左右したお方…
その後の私の紆余曲折の人生を送ったきっかけとなった人物…
その先輩の博士号論文だ。

この部分は難しい話だから飛ばしても構わない。
数百人単位の調査で、一般論として語っても根拠がある、
ということだけ言いたかっただけ
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補綴加療における咬合圧・咬合力・咬合接触面積に関する疫学的研究

宮浦一成(岡山大学 歯 予防歯科)

岡山歯学会雑誌(0913-3941)13巻1号 Page115-125(1994.06)

Abstract:
1)現在歯数が約20本以下で咬合圧の急激な上昇がみられ,
 残存歯への負担過重が推察された。
2)部分床義歯装置で,咬合圧の低下がみられ,残存歯への負担軽減
 が推察された。
3)鋳造冠・架工義歯合着前後では,咬合圧・咬合力・咬合接触面積に
 大きな変化はなかった。
4)補綴加療者の咬合力・咬合接触面積は,健全歯列者群を100%と
 した場合,架工義歯群で約80%,部分床義歯群で約40%,全部床義
 歯群で約10%であった。
5)補綴装置に対する馴化で,咬合力・咬合接触面積の回復がみられた。
 特に部分床義歯装着者において,咬合力は約60%,
 咬合接触面積は約50%の増加を認めた
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訳)
1)歯が20本を割ると咬む力が落ちる
2)部分入れ歯を入れると、残っている歯にかかっていた過度な力は
  減った
4)歯がちゃんとある人の咬む力を100とするとブリッジで8割、
  部分入れ歯で4割、総入れ歯で1割だった
5)部分入れ歯を入れて慣れると、咬む力が6割、咬み合わさる面積
  が5割増した


自分の歯に勝るものはない、ということは15年前から実証済み
私らが歯を残すことにこだわる理由はここにある。
QOLが損なわれるなら、残すべきではないだろうが。

では、インプラントは?
インプラントは天然歯に近い機能が得られる
(医学中央雑誌で論文検索をしてないから回答がちょっと曖昧)
ただ、
それを得るための代償(お金と手間・時間)は必要だが。


さて、20本という数字
これは乳歯の本数である。
保育園・幼稚園の園児さんと同じ歯の数。

20歳時の本数28からすると71点。
様々な物を食べて楽しむ大人にとって
十分に用を成す数字なのかどうか
皆さんに判断していただくとしよう…


平成17年現在
80歳(平均寿命)で20本のラインを下回る人の割合 78.9%
自分の歯が一本もない人の割合  35%

8020達成者21% 
そう、“80”歳での目安達成者 “20”%、
先は長い…

ということで、今年は歯科疾患実態調査の、
6年に1回の調査年だったりする。

たっかー、おきくさん、みさとちゃん、そしてなっちゃん、
もし興味があったら、お姉さま方に聞いてくれ。
みーちゃんでもOKだ。
卒後の人は、今は一番知識が詰まっているはずだから!

副院長は多忙のはずだから、明日は
そっとお仕事をさせておいてほしい…

では明朝、出張に行くのでよろしく!



yobou_no1 at 20:25│Comments(0)その他雑談 

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