PCR

2011年07月16日

鑑識の技術 〜あー懐かし!〜 

昨日のNHKの「おはよう日本」で
東日本大震災での遺体の身元確認に
様々な「歯科」に関する技術・情報が役立っているとの
ニュースがありましたね。
ohayounippon
(TV画面を撮影 著作権の事があるから画像が小さく荒いです スミマセン)

<その1 歯ブラシから身元確認>
歯ブラシについている頬の粘膜からDNAを採取
ご遺体のDNAと照合して身元確認をするというもの

粘膜組織を綿棒で取って 細胞を抽出
酵素でDNAを切断
(ちょっと量が少なかったらPCR法でちょいちょいと増やす) 
それを電気泳動で流すと
特有の塩基パターン(生物学でATGCとか習わなかったかな?)
からなる断片が寒天ゲルの中で集まるので
そのDNA縞模様パターンから
2者が同一かどうかを判定するもの

・・・ってちょっと難しいよね。
警察の鑑識では普通に使っている手法。
もともとは大学(理学部系・生命科学系)の技術。

私も10年以上前の記憶で 
モノを語っているから ちょっと不安。

昔 歯周病菌?の産生酵素の精製の
研究をやっていて
これらの技術のうち 電気泳動法を
使っていたことがあるんです、実は。
あー懐かし!


<その2 歯のデータベース>
歯のデータベースが身元の照合の迅速化に
とても役立っているとのこと。

1)カルテ・レントゲンから歯の状態を記録する(歯の有無、修復状態など)
2)それを番号化する
  例)健全歯 1  インレー 2 
    コンポジットレジン修復(白の詰め物) 3 
    かぶせ 4 ・・・  欠損 0
3)右上の親知らず(8番目の歯)から順に歯の状態を
  番号で並べていく(上顎−下顎)
  例)0213401111324400 0221144411123240

4)コンピューターにデーターベース登録し、実際のご遺体の歯の状態に
 近いものを挙げてくるようにプログラムしておく

まあやり方はこんなところかな。

この辺の話題は 私と妻は 
学校健診のデータ入力で
関わっていたことがあるので。
あー懐かし! 

まあ この「入力作業(雑用、仕事)」が 
二人がつきあう きっかけのひとつになった、
といえばそうなのだが。


で、院長は何でこんなことを やっていたのだろう?
とスタッフは疑問に思うかもしれない・・・
いやすでに 変わってる と思っているだろう・・・

気にしないでね!
他と同じ、みんなと同じ、では 変わりばえしないから。

「病気を生まない 病気を作らない 街づくり・人づくり」
っていう 医院理念自体が 変わっているから
(「変わってる」 を 楽しもう!! それが個性!! 
      それが差別化!! それがOnly One!!)

既存の概念では 
歯医者は削って抜いて 治すのが仕事

でも 法律に書いてあるもん!
歯医者の仕事は 「医療の実践」とともに
「保健指導」 そう 健康を守ることだ
、って。
(歯科医師法 第1条) 

そして きっと みんなが望んでいること
病気にならずに済むのであれば なりたくない! 
望んでいるけど 意識に 言葉に出てこないだけ。

ただ 開業して5年余り 
「病気になりたくないから 予防する方法を教えて下さい!」
と自ら言ってきた人は 誰一人いない・・・
100%じゃないけれど 半減することくらい わけないのに・・・

まあ この辺のネタは いずれ触れましょう・・・


でも 大学の研究者って
私よりはるかにわったたちの集まり だよ・・・
(そういう信念の人でないと 事を成せないって)


以上、
デンタルクリニック東陽台 院長の大石でした。

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yobou_no1 at 05:29|PermalinkComments(0)

2011年06月21日

以前 追い求めていた夢 って?

今日はちょっと難しいお話が混じるので
最初にお断りしておく。

数日前の、患者さんからの質問
「歯石はなぜつくのですか」
この仕事をしているとよく聞かれる質問だ。
siseki

ただ悲しいことに、真の理由は未だに分からない。
細菌が原因だとか唾液の成分が原因だ、とか
いくつか説があるが、確定していない。

今も真面目にこの分野の研究している人は少ない。
1983年以降の論文がキーワード一つでヒットする 
医学中央雑誌の検索では、近年では引っかからない
(=論文が出ていない)からだ。
私の勉強不足、調査不足かもしれません。
すみません・・・

この質問をされたとき、私は複雑な気持ちになる。

実は大学にいた12年ほど前、
歯石の成り立ちについて
研究を手伝っていたことがあるからだ。

学生を研究室に引っぱってきて
パラフィンフィルムを咬ませて
唾液を容器の中にためてもらう、というものである。

集めて分析、精製を行うのにも試料が必要だからだ。
もっとも、唾を集める場所・目的が間違えば
「唾くれおじさん」のようにタイーホされるわけだが…
(あれは採取じゃなくて、ビデオ撮影か・・・)

その時、主任研究者が考えていた学説

歯石の成分は主にカルシウム その由来は唾液だ
細菌があれだけの量の歯石を作り出すことは困難だし、
出来るのなら「歯石形成細菌」として研究者がとっくの昔に発見している。

唾液にはカルシウムが含まれているが、
その濃度は、過飽和状態である。
つまり、カルシウム分を溶かしている液体が真水ならば
溶けきれずに沈殿・結晶になっている、ということである。

しかし、唾液をためて置いといても
カルシウムの結晶としての沈殿は生じない
それは、沈殿させない物質が唾液にはあるからだ。

臨床の現場を見てみると、
耳下腺開口部(★)から出る耳下腺唾液より、舌の裏側
舌下腺・顎下腺開口部から出る唾液の方が粘度が高い
歯石の付き方は下顎の裏側の方が圧倒的に頻度が高い。

(★上の6歳臼歯付近の頬粘膜にある小さなふくらみ、
ウイルスで目詰まりするとおたふくかぜ)

唾液に含まれている物質、そう、タンパク質が怪しいと
にらんだわけだ。

で、ある程度のところまでまとめたようだが、
それからの発展はなかった。
医局のゴタゴタで研究がストップしたからだ。
人とカネがないと研究はできない。悲しい現実だ。

でも、もっと追究していれば、
歯石の付着メカニズムが
明らかになっていたかもしれない

歯石を付きにくくする うがい薬ができれば 
すごいことである。 歯を失うリスクが減る
むし歯と歯周病のケアが簡易にできれば 
まず歯は失わない。

購入対象者は全世界の人々 
購入可能者はざっと10億人はいるだろうか?
それが末永く である。 みんなの幸せ、
 「がっちり、がっちり」

でも歯科関係者から恨まれるだろうな…
仕事を奪ったって…

遠心分離で濃縮してー、Ca特異性クロマトで吸着させてー
塩基配列読ませてー、PCRで増幅させてー、タンパク合成してー…

あーやって、こーやって、なんてアイデアをめぐらせながら
いつかは解明したいという夢を 追い求めてみたくなる…

という夢から覚めて 今日もお仕事お仕事…

デンタルクリニック東陽台 院長でいちおう歯学博士の大石でした。
(全然学位が役に立っていないなー)





yobou_no1 at 22:48|Permalink